中国:膠着状態のチベット仏教寺院に対しては抑制的行動を治安部隊は武力行使を慎むべき
2011/04/15 ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)
(ニューヨーク)-ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日、四川省南西部阿壩県のキルティチベット仏
教寺院の周囲で数百人の地域住民と治安部隊が膠着状態にある状況について、中国政府は武力を行使すべきではない、と述べた。最近伝えられるところでは、治安部隊は寺院の周囲に集まった群衆に軍用犬をけしかけたり住民を殴打するなど暴力がふるわれている。これらの報告は、チベット全体で政府への抗議活動が起きて3年目となる2011年3月16日にこの寺院の僧侶が焼身自殺を図ったことに始まる一連の緊張状態の一部である。
ソフィー・リチャードソン(HRW アジア支援ディレクター)は「中国政府は、中国の憲法と法律に基づき、市民の表現、出版、集会、信仰の権利を保障する義務がある」と指摘する。「キルティ寺院のケースをはじめとする非暴力、非武装の抗議者に対する武力行使は、完全に不当、不法である」情報によると、キルティ寺院周辺では2011年4月12日、治安部隊が18~40歳の僧侶を「再教育」するため強制連行する準備に入ったと考えた地元住民が、2500人の僧侶を守ろうと寺院を取り囲み、緊張状態が高まった。HRWは2008年3月以来、チベット各地で、中国の治安部隊が僧侶を含む非暴力の抗議者に破壊活動家の疑いをかけ、拘束中に拷問や虐待を行った多数の事例を報告している。HRWがキルティ寺院周辺の住民の身の安全に対し強い懸念を表明する背景には、中国国内で法律を無視した治安維持キャンペーンの一部として、この1ヶ月間に国内で最も著名な弁護士や人権活動家、インターネット活動家が何十人も逮捕されたり拘束されて行方不明になっているという事実がある。
HRWは中国政府に対し、住民の抗議に対応する際は自制的に行動するべきであり、また、キルティ寺院の膠着状態の解決にあたっては適正な手続きと国際法に従うことを確約するように促した。リチャードソンは次のように述べている。「中国の治安部隊が、関係者すべての安全に配慮し、僧侶と周辺住民の自由な宗教活動と言論集会活動の権利に敬意を払い、必要最小限の権力行使によって、平和的に抗議活動を行う権利が尊重されることがきわめて重要だ」
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